面白くはないけど、とっても面白い世界へ
子どもの頃に思っていたほど、実際の世界はそんなに面白くなくて──
奇跡とも不思議とも、待ってるだけでは出会えなかった。
空から女の子が降ってくるとか、
見慣れない小道に迷い込むとか、
私は、そういうものをずっと期待していたんですよ。
だから慣れない町を、自らブラブラと歩いてみたりするんですよ。
不思議との出会いをずっと探しているんですよ。
いい年して、お恥ずかしながら。
そうすると、小さな古本屋をみつけたり、
吹く風に忘れていた思い出が蘇ったり、
奇妙に町を照らす夕暮れに行き当たったり、
そういう瞬間には出会えました。
そういうのも、全然、悪くない。
子どもの頃に思い描いた奇跡よりも、ずっと地味だけど、
こういう夜に変わる一瞬前の景色のような、意識しないと見えない日常も、
随分と立派な奇跡だと思います。
そういうのには、「物語」が宿ります。
景色は、そっと内側に特別なお話を秘めています。
この世は、ただ待っているだけではツマラナイ。
茫然と眺めるだけではアジケナイ。
ツマラナイとアジケナイと、思ってしまうには、とてもモッタイナイ、のです。
もうちょっと、もうちょっとだけ、見つめて祈って探り出してみませんか?
私と一緒に、世界の面白さについて。